Cephalanthera属の栽培
 Cephalanthera属(セファランセア属)の植物はキンラン、ギンラン、クゲヌマラン、ササバギンラン、ユウシュンランなどの植物が分類されている、ラン科の中でもあまり大きくない属群です。なかでもキンランとギンランは姿、形が互いにそっくりなため、黄色を金に、白を銀に例えてその名が付いたと言われています。これらの花は可憐で美しいために園芸目的での乱獲が続き、現在ではあまり見かけない存在になってしまいました。また、市場に出回っているこれらのランも全て野生採取に頼っており、野生株減少の原因となっています。
 さらに、これらに加えてこの属の植物の栽培が困難なことも、野生採取を継続させている一つの要因ではないでしょうか。「採取しては枯れる、また採取して枯れる・・・」この悪循環です。そもそも、Cephalanthera属の植物は光合成こそしているものの、ラン菌に栄養素をもらい受けており、腐生ラン的な要素を持っているので他の植物のように完全な独立栄養成長をしていません。つまり、Cephalanthera属の植物を育てるには同時にラン菌も育てなければならないということです。

鉢内同時栽培法
 言ってしまえば植物と菌を同じ鉢で育てる栽培法です。
 まず、栽培に入る前に一緒に育てるラン菌の説明をしましょう。ラン菌の存在くらいは知っている人も多いと思いますが、大体の人が「ラン菌ってなに?」って具合ではないでしょうか。
 ランの種子はラン菌の力を借りて・・・くらいは何処にでも書いてあるので割愛させてもらいます。Cephalanthera属の生育に関わる菌は木材腐朽菌といわれる仲間です。「そんなこと言われても分からない!」って人も多いと思うのですが、簡単に言うとキノコの仲間です。栽培するにはその菌そのものと、菌の“食べ物”を鉢に入れてやらないといけないのですが、その菌自体は何処にでもいます。ですが、色々な都合を考えると山から取ってくるのが一番でしょう。
 山(杉林ではなく、雑木林が良い)に入れば必ず、半分腐ったような枝が落ちているはずです。太さはペットボトルのキャップくらいが妥当でしょう。それを1本とあまり腐っていない同じような枝と、ほとんど腐ってない落ち葉を拾ってきます。なお、山が私有林の場合があるので、その辺りは個人で注意してください。
 持ち帰った枝は適当に切って植え込みに支障のない程度まで短くします。(2〜3cmくらい)落ち葉はそのままで大丈夫です。これでラン菌の準備とエサの準備は終わりました。ラン菌のエサは枝や、落ち葉に含まれている多糖、セルロースなのですが、これでは植え込み初期の枝や落ち葉の分解が進まないので、チップ状に切った段ボール(セルロースの塊です)を入れてやると良いようです。なお、セルロースの塊だからと言って段ボールだけにすると分解があっという間に進んでしまい、栽培後半には栄養不足で枯死してしまいます。
 準備した枝類と段ボールを用土に混ぜるわけですが、枝類:段ボール:用土=2:1:1くらいでで混ぜて使います。植え付けは通常の山野草の植え付けに準じてやれば大丈夫です。植え付け完了すると植木鉢はすごく軽く感じますが、大丈夫です。栽培していると土の表面からキノコが出てくることがありますが、鉢内でラン菌も順調に生育している証拠です。ただ、極端な乾燥、加湿は禁物です。
★生育写真★
 生育写真は茶色の鉢がササバギンラン、白がキンランです。

同居栽培法
 同じラン科植物と一緒に育てる栽培法です。ラン菌の管理を一方のラン科植物に任せ、その菌で一緒に生育させるのが目的です。一ヶ所に2種の植物を植え込むので鉢植えも出来ないことなないでしょうが、どちらかと言えば庭植えで楽しむ栽培法です。
 同居人としてふさわしいのは春ランでしょう。地域によっては似た性質の寒ランでも可能だと思います。これらは生育スピードが速いとは言えないため、長い間、同居させても一緒に植えたキンランなどを置いていってしまうことが無いからです。また、一年を通して地下に太い根を張っているため、ラン菌の生育にも適していると思います。その他ではエビネ、シランなどが同居出来るようです。ただ、シランは強健種で生育スピードが速いので、注意しないといつの間にか消えていたと言うことになりかねません。
 栽培は、春ランを庭に植えるとき、寄り添うように植え付けるだけで大丈夫です。あとは春ラン任せです。一年目はヒョロヒョロとした芽しか出てこないかも知れませんが、二年目以降は太くて、頼もしい芽が出てくると思います。
★生育写真★
写真は春ランとギンランを植えて二年目の写真です。

 私自身はこれらの植物の乱獲を助長するために公開したわけではなく、栽培可能な方法が広く世間一般に知れ渡ってくれれば人工的に栄養繁殖が趣味家の間でも可能になるのではないかと思って書いた物です。これが可能になれば、自生地復活の手助けになることを信じています。

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